萩のまちには紅葉の名所が数多くありますが、中でも長州藩奇数代藩主の菩提寺「東光寺」と偶数代藩主の菩提寺「大照院」の紅葉は有名です。
2つとも禅宗のお寺で、燈篭が立ち並ぶあたり非常に似た趣です。通常は片方のみを訪れることが多いと思いますが、今回は両方とも訪れて比較してみました。
まず、東光寺です。こちらは禅宗の中でも江戸時代になってから中国から日本に入ってきた「黄檗宗」の寺院で、鮮やかな赤色の総門、屋根の反りなど、中国的でエキゾチックな建築意匠が独特です。鬼瓦・開梆(木魚の原型と言われる)などのキャラクターも非常に興味深いです。
松陰生誕地など松本の主要観光地から程近く、大照院に比べ観光客が多いのではないかと思います。
紅葉の季節には特別拝観を行っており、普段はいることができない書院裏のお庭を見ることができます。

廟所には三代目以降の奇数藩主が眠っているほか、約500の燈篭が立ち並びます。藩主のお墓は板状の形です。

もう一方の大照院は臨済宗のお寺です。お寺としての歴史はこちらの方が古く、平安・鎌倉時代の仏像もあります。本堂は現在大規模改修中ですが、普段は静けさと日本らしい情緒に溢れる禅寺です。境内も東光寺よりコンパクトにまとまっています。

廟所には二代目以降偶数の藩主の他、初代秀就が眠っています。燈篭の数は約600で、地面の傾斜が急なので、東光寺より迫力があるような印象を受けます。藩主のお墓の形は五輪塔状です。

ここには書ききれませんでしたが、どちらのお寺にもそれぞれの趣と魅力があり、それぞれの季節ごとに新たな発見があって面白いです。
今度は8月の万燈会に訪れたいと思います。